はやくも、国公立の秋田にある国際教養大学のA日程の二次試験がありました。
2月4日のこと。
秋田は雪でいかれるのかと思っていたら、大阪で受験できるとのこと。
例年、問題文を読んで600字でまとめる、という問題形式。
内容はタテ社会や歴史認識など、社会問題に絡んだものが多いのです。
しかし、今年は谷崎潤一郎の「いわゆる痴呆の芸術について」という随筆から出題されました。
義太夫、浄瑠璃が痴呆の芸術だというのです。
人命を重んじず、非人間的な残忍性を武士道的だと思っていて、軍閥政府の特徴であり、野蛮性がある、と述べて言います。
だから義太夫や浄瑠璃を外国人に見られるのは恥ずかしく、近くに外国人がいると集中できない、とのこと。
昭和23年に書かれたものであるので、そうなのかな、と思いましたが、
「痴呆の芸術」の意味するところは?
「因果と白痴ではあるが器量よしの、愛らしい娘なのである」の意味するところは?
谷崎の義太夫認識に、昭和23年当時の世相を含め、彼が生きてきた時代背景が反映されているとすれば、具体的に何がどのように影響を与えたと考えるか?
などと、今までとすっかり趣が変わっていました。
私にはとても興味深く、面白かったですが、
生徒は手も足も出なかったとのこと。
書いてある内容と谷崎という人がどういう考えを持っていたか、時代背景などをあるある程度知らなければ難しいだろうと思いました。
今月は私立大学の一般入試と、国公立の二次試験で、ほんとに大変な時期です。
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